令和3年に「カードキャプターさくらは俺の嫁!」とか言ってるやつはいくら何でもアップデートされてなさすぎワロリンチョワロリンソワカ

 

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かつてネットスラングで『○○は俺の嫁!』という言葉があった。○○には二次元、いわゆるアニメのキャラクターが入る。つまり、このキャラクターが好きなんだよなあ、という表現方法の一つとして『ハルヒ俺の嫁!』などと宣言していたのだ。

しかし時代は変わり今は令和3年。『○○は俺の嫁!』なんて言葉は死語。というか、何を勝手に婚姻届けも本人の意思もないまま嫁にしてくれているのだ、という話である。親に挨拶へ行け。お互いの年収を公開しあってからにしろ。あと過去のいろいろな関係は変な体のあれそれとかも含めて断ち切れ。墓参りで祖先に報告しろ、涼宮ハルヒさんと結婚しますって。ハルヒキョン、結婚するわよ!」じゃないのである。そんなSS、昔、埋立地関西国際空港が出来るくらい沢山作られて捨てられていったのだろうなあ。

で、これから書き記すのは、そんな時代に感じた大きな違和感の話だ。

 

「さくらは俺の嫁!」

この「さくら」という名前が意味する存在は人によって異なるだろう。ストリートファイターの「さくら」かもしれないし、サクラ大戦の「さくら」かもしれないし、或いはケツメイシの「さくら」かもしれない。だが私にとって「さくら」と言えば彼女一択なのである。

そう、「カードキャプターさくら」の「さくら」だ。

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ばりばり幼稚園児くらいの妹が見てた世代の私にとって、さくらと言えば彼女しかいない。詳細はwikiを参照してほしいが彼女の「絶対大丈夫だよ」という言葉に何度人生を救われただろう。

そんなさくらちゃんだが、当時から熱狂的なファンが多いことで知られていた。それこそ、関西国際空港が出来るほどに「さくらは俺の嫁」と言われ続けてたのだ。

しかし、その言葉を見たり聞いたりするたびに私は、こんなことを思っていた。

「いや、さくらは、お前の嫁ではない」と。「絶対に違う」と。

特に、この20年近く経ってる今、令和3年に、まだこれを言ってる人がいるとしたら、いくら何でもアップデートがされてなさすぎると思ってしまう。まあ、私は、このスラングが全盛期の頃から、さくらちゃんにこの言葉を使う事に対しては敵対心をむき出しにしていたのだが。(私がさくらちゃんの嫁とかいうしょうもない理由でもない)

 

え?

何?

どうしてかって? 

……あのなあ。

あのなあ!

カードキャプターさくら小狼くんの嫁やろがいっ!

いや!

マジで!

これは!

マジで!!!

 

私は、このカードキャプターさくらを「俺の嫁」とかいう輩にはリアルにドロップキックをかましたい。いやいや!見た?ちゃんとアニメ、見た?クリア編とかも含めて、見た?小狼くんというベストパートナーがいるのによくシャシャリでてこれたね。

私見だけど。私見だけど、この「さくらは俺の嫁」って言ってた輩は、当時も今も含めてきちんとカードキャプターさくらを、観ていないと言わざるを得ない。

令和3年で未だに嫁とか行ってる古参の方は、とりあえず劇場版第二作を観よう。あれを観てまだ、さくらは俺の嫁とか言うヤツは、もう送ろう。平成が眠るお墓に埋葬しよう。

という訳で、見てない方へ、これから私がカードキャプターさくらがどんな話かを説明しようと思う。「さくらは俺の嫁」ってヤツは正座して待ってろ!粗茶はでねえぜ!水たまりすすってな!

  

以下、テレビアニメ版のあらすじ。

木之本桜は、体育が得意な小学4年生。

ある日、さくらが学校から帰ると、誰もいないはずの地下の書庫に何者かの気配がしました。さくらが下におりてみると、そこには1冊の金色に光る本がありました。

中には、カードが入っていましたが、そこに書かれた文字を読み上げたとたん、激しい風が起こって、カードがバラバラに飛び散ってしまいました。

残された本の中から、ケルベロスと名のる奇妙な生き物があらわれ、本に収められていたクロウカードの封印が解かれるとき、この世に災いが起こると言います。そしてケルベロスはさくらに封印(ふういん)の鍵を与え、カードを捕獲(ほかく)するカードキャプターにしてしまいます。

その夜から、さくらは魔法を使って、実体化したカードに立ち向かうのですが・・・。

さくらは、カードを全部もとにもどせるのでしょうか

(公式サイトより)

そんなこんなで、クロウカードという不思議なカードを集める物語が始まるわけだが、1人でクロウカードを集めてたさくらちゃんの元に、ある日ライバルが現れる。

それが、李小狼(リ・シャオラン)、短パンの少年だ。

香港からクロウカードを集めるためにやってきた転校生。
さくらにライバル心を燃やす。クロウ・カードを作ったクロウの親戚。クールな反面、照れ屋ですぐに赤くなる。

(公式サイトより)

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初めのうちは敵対する2人が、徐々にクロウカードを集めていくうちに仲良くなっていく。その過程はあえて、今回は飛ばすが、とりあえずこれだけは言える。小狼くんはかわいい。うん。

 

しかし、そんな2人も小狼くんが、さくらへの恋に気付いてから関係性が変わる。なんども告白しようとしては失敗する小狼くん。だけど、アニメの最終回近くで遂に、彼はさくらちゃんに、告白するのである。 やったぜ。

クロウカードもすべて回収したことで、さくらの住む街からでていかなきゃならなくなった、小狼くん。で、さくらちゃんは、悩む。小狼くんの気持ちになんて言えばいいんだろう、と。つらいね。

小狼君が出発する朝、彼女は答えを出しに彼の元へ向かう。しかし、まあ、そこは小学生の女の子。「好き」というきちんとした言葉は伝えられないまま。でも、さくらちゃん、ラストに、こう告げる。「また、会えるよね」って。

 ほええええええええ!

…と、まあ、ここまでが通常放送。いわゆるテレビアニメ版のカードキャプターさくらの、流れ。

 

さて、結論から言うと、さくらちゃん、小狼くんには、また会えるのだ。令和の時代にまさかのカードキャプターさくら第2期がスタート。物語は絶賛進行中というから長生きしてみるものである。

しかし、今回私が紹介したいのは、その正当な続編とは少し違う劇場版第二弾『劇場版カードキャプターさくら 封印されたカード』である。これが本当にいい。

「さくらは俺の嫁」ってヤツらも、正座で足をしびれきった頃だと思うので、ここからは、しっかり聞いて貰おう。この映画が、本当に最高の作品で、是非みなさんにも、この最高な映画を共有いただきたいと考えているからだ。

(ただ、この作品は原作の正史とは異なるパラレルな世界のものだと思ってご覧いただきたい。アニメの劇場版は、たらればだからこそ成立するものなのだ)(個人的にはまさか正式な続編が書かれるなんて考えてもいなかったので、この映画の上演に合わせて終わりでもそれはそれで綺麗な幕引きだったのかなあ、とは思うけど。これは意見の分かれるところだと思う。トイストーリー4に賛否両論だった、みたいな)

 

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以下、劇場版のあらすじ。

小学6年生になったさくらたち。

さくらはまだ小狼への返事が出来ずにいた。

夏休みに開催される友枝町の祭り「なでしこ祭」でさくらのクラスは劇を行うことになっており、その劇の練習をしていた中、エリオルの家の跡地に建てられた友枝遊園地で、ばったり小狼と苺鈴に遭遇する。

実はこの再会は知世と苺鈴がメールのやり取りによって計画したものであった。苺鈴はさくらに告白する機会を仕向けるが、なかなか返事することができない。

 

その頃、町中ではあるものが次々に消えていくという奇妙な現象が起こっていた。

その現象はさくらたちの下にも及び、さくらの持つさくらカードが次々に消え始める。それは、名前のないクロウカード=無のカードの仕業だった。

異変を止めようとするさくらだったが、相談したエリオルから無のカードを封印するにはその時に1番魔力が大きい者の「大切な人への想い」を代価にしなければならないと聞かされる。

動揺するさくらは小狼に相談するが、それしか方法がないのなら仕方ないと言われ思い悩む。しかし無のカードは刻々と威力を発揮し始めていた。

  

劇場版と言っているが、内容はアニメ版最終回の続きとなっている。この映画。ラストが本当に最高なのである。 

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私の中で三大アニメの告白シーンを選ぶとしたら、『めぞん一刻』と『たまこラブストーリー』と、この『劇場版カードキャプターさくら』になる。それくらい私は、この映画が好きだ。10本好きな映画選べって言われたら間違いなく、その中に入っている。ちょっと人格が疑われそうなので、普段は言えないが。日和ってビッグフィッシュとか言ってるが。(これもハイパー名作。ラストが泣ける)

どうしてこの作品が好きかって言うと、もうこれは、どんな物語でもいえることだと思うのだけど、やっぱりラストに物語の一番盛り上がるところを持ってきてるところ。この映画の中で言えばずっと『さくらは、小狼の気持ちにどう答えるのか』っていうのが大きな主題としてある訳だが、その重要な部分を一番盛り上がる場面にぶつけてくるのが最高にいい。

私の中で、劇場版アニメっていうのは、『日常』の中に普段じゃありえない『非日常』をぶちこめる装置だと思っていて。クレヨンしんちゃんとか、ドラえもんとかに顕著だが。普段は現れない敵と戦う、なんて展開の中に『日常』よりも更に際立ったドラマが生まれる訳である。しかも私たちは、「日常」というテレビの通常放送を生活と共に過ごしている。そんなキャラクターたちが非日常で敵と戦う姿。否が応でも盛り上がるのである。

カードキャプターさくらでいえば、日常が続いていく中で少しずつ動いてた感情の機微を劇場版で、どうするか。さくらが選択を迫られる訳だ。しかも、この映画では、敵を封印する為には「大切な人への思い」を犠牲にしなければならない。

テレビ版で育まれた好きという『日常』が、装置によって一気に『非日常』へ駆り出される。これは否が応でもドラマが起こりますやん!

で、今回はもう、解説付きでラストがどんなのか説明する。もう、する。決めた。

あの、「さくらは俺の嫁!」って言ってる人。もう、ここらで呪いを解いてみよう。ラストを一緒に改めて見ることで。 

 

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シリーズを通して最強の敵。さくらの仲間たちをどんどんと消していき、残ったのはさくらだけとなる。

で、色々あって敵を封印することになるのだが、その時、追いかけてきた、小狼くんに「大切な人への思い」の消失が発動してしまう。

でも、小狼くんの、さくらへの思いは強く、カードの力では、さくらへの思いは消えなかった。

そのことを知らずに、言葉を紡ぐさくら。

 「小狼くんが、わたしのこと、なんとも思ってなくてもいい。私は、小狼くんが好き」

泣いちゃうね。

あの、なにも言えなかった、さくらが、小狼くんに思いを伝えるなんて。

 「わたしの一番は、小狼くんだよ」

ここの台詞が、切なくて、グッと胸にくる。声優さん(丹下桜さん)の迫真の演技が伝わって来る。

泣いてしまう、さくら。しかし、ここで。

「俺もだ」

と、小狼くんが答えるんです。ちょっと、震えるね。このくまいもとこさんの演技とか絵の表情とか。たぶん、このシーンのイケメン小狼くん、さくらから見た小狼ってことなんだろうな。格好良い、本当に格好良いな。

「はっ」とする、さくら。萌えとかじゃなくて。こういうときに使うんですよね「かわいい」って言葉。で、この一番かわいい顔にさせてる張本人は誰だって話で。

それはもう。小狼くん。彼しかいない。

 

さあ!ラストは、ここから盛り上がっていく!

嬉しそうな、さくら!

ここで、流れてくるのが 

とどけてえええええええええええええええええええええええ!

 主題歌のタイミング、完璧すぎだろ!

なんという多幸感!

ここ!

ここね!

もうね、初めてこの映画みた時は、本当に鳥肌が経ったの!なんというか、長い日常から続いた物語の終わりを、映画という媒体を使ってこんなにも劇的に終わらせてくれるなんて。このシーンから、光が差し込んで、闇が包んでいた街を明るく照らしていく。

目を覚ましていく、登場人物たち

 

で、さくらと小狼。このあと、どうするかといえば

「いっくよー」

「おい、よせって、まってれば元にもどるから」

「やだ」

「だーいすきーっ」

ここの2人がねえ、本当に幸せそうで泣いちゃう。かわいすぎるじゃないですか、2人とも。声優さん2人に拍手したいくらい。

絵も最高。世界が、この2人の幸せを祝福してるみたいで。で、やっぱり歌が!歌がいい!マジで!

だって、「大好き」で大好きな人のところへ飛んでいくからには、そりゃあ、歌い出し「とどけてえええ」になるってのが筋である。

 くぅーーーーーっ!幸せでいろよおー!末永くなぁっ! 

  

この多幸感溢れ出んばかりのラスト。これを観て、なお「さくらは俺の嫁」と言われると「いや、もうアニメが答え出してるだろ」って思ってしまうのである。

こんな映画作られたら、言えないって、俺の嫁なんて。だって、あんな嬉しそうだったんだよ?、さくらちゃん。

令和3年に「カードキャプターさくら俺の嫁!」とか言ってるやつは映画で、既に答えが出ているのに、いくら何でもアップデートされてなさすぎワロリンチョワロリンソワカ

 

…とまあ、こんな具合で。いかがだっただろうか。この、自分が好きだからって勝手に解説する押しつけがましい今回の記事。なかなかリアルでは、この映画大好きって言えないので、ブログにぶつけてみた次第である。

十二分に思いは伝えられたので、最後に、これだけ言わせて貰って今回の記事の締めにしたいと思う。

 

「さくらは小狼の嫁!小狼はさくらの旦那!」